その10 敢えて自分に対する風当たりを強くして、それを乗り越えていくように努力する生き方をしよう!」

録画していた1月4日放送の「情熱大陸」を見ました。

主役は立川談春師匠です。

7−8年くらい前と4−5年くらい前、それぞれ大田区民プラザと国立演芸場で生で聴いたことがありますが、最近では簡単にはチケットが取れなくなってしまうほど人気が出てしまい、生でなかなかお目にかかることができなかったので、この番組はとても楽しめました。

はじめて、談春師を知ったのは、大学生のときに見た深夜番組で、志らく師匠(当時は2人とも二つ目)と組んだ立川ボーイズでの桃太郎侍のコントであったように記憶しています。

当時は、古典落語以外の部分で勝負していたこともあったのか、志らく師のほうが目立っていました。
番組で本人が語っていたように、真打の昇進も先を越され、相当に悔しい思いをしたのだと思います。

しかし、身近にレベルの高いライバルがいるのは、素晴らしいですね。

特に談春師は、志らく師のことを意識していることを隠そうとしないところがよいです。
昨今の「スマートさ」とは正反対な生き方です。

鶴瓶師が「やたけた」(向こうっ気が強い)と評していましたが、敢えて自分に対する風当たりを強くし、それを乗り越えていくことために努力をする状況を作り、成長を」続けているのだと思いました。

番組の中で特に印象的だったのは、弟子と弟子の親との三者面談で、「落語はうまいけど、落語家に向いていない。相手を出し抜くような男としてのガッツが足りない」と語っていたシーンでした。

一見、親の目の前で何もそんな言い方をしなくてもと思いがちですが、弟子の成長のために、敢えて厳しいことを言って、奮起を促しているのです。

自らの欠点や弱点を具体的に指摘されているので、弟子の方もきっと奮起するものと思います。

サラリーマンの社会では、部下から嫌われために、上司が厳しいことを言わない風潮がありますが、信頼関係さえ築いてさえいれば、相手に対して敢えて厳しいことを言って、「何くそという気持ち」を刺激をすることも、時には大切であるような気がします。

自らも、談志師の十八番「芝浜」を敢えて目立つところで演じて、怒られてもよいからという姿勢で、談志師から何かを引き出そうとしています。

何ごとにも逃げずに、立ち向かって向かっていく、談春師の姿勢、これからも楽しみさせていただきます。


本日のメッセージは、

「敢えて自分に対する風当たりを強くして、それを乗り越えていくように努力する生き方をしよう!」

です。



(追伸)

小さん師、志ん朝師が亡くなって以後、今や私が落語に夢中になっていた小学校、中学校の時代、つまり、昭和の香りを残す大看板は、談志師、小三治師くらいでしょうか。

でも、小朝師、志の輔師が居ます。
談春師(談志を襲名するのはこの人のような気がします)の世代では、志らく師のほか、昇太師、喬太郎師、花禄師、談笑師も居ます。

年を重ねていくことは、嬉しいことではありませが、彼らが大看板になった落語会を想像すると、ちょっとワクワクしてきます。

まだ、少し早いですが、私のひそかな老後の楽しみです。