その22 ときには裁量以上の判断をしてもよい。相手からの信頼を勝ち取ることを優先せよ!

理論ではなく、感情が人を動かすという考え方が好きではありませんでした。

特にビジネスの世界では、数字や客観的事実が明確になっていれば、信頼は得られると思っていました。

でも、プライベートの失敗の代償からいろいろと学びました。(代償はあまりにも大きかったですが・・)

本日も、今週はじめに発生したシステム障害の連絡を約40箇所に行ったのですが、1箇所だけ、「出力されなかった帳票と同じものを再作成して送って欲しい」と譲ってもらえませんでした。

システム障害に関するお詫びのメールに添えて、帳票に印書されるべき情報はエクセルで提供したのですが、許していただけませんでした。

「必要な情報がデータになっていることは理解できるし、その情報があれば後続の事務処理を滞りなくすすむことは百も承知だ。でも、大事なのは、失敗をした事に対する誠意だ。誠意が信頼を生むのだ。」

ごもっともです。

以前のパパであれば、「スピード」「コスト」を振りかざして、再作成に応じなかったと思います。

しかし、理論と感情のバランスを考えることの重要性を学んだパパは、上長の許可をもらうことなく、その場で再作成の約束をしました。

すぐに回答することが誠意だと考え、その結果相手との信頼関係が築けると判断をしたのです。


上長には、後で了解をもらいました。

「パパに裁量がないことは相手の方も理解していたはずなので、「上長に相談のうえ回答します」という回答も当然にできました。」

でも、会話の流れを中断してしまうと、せっかく歩み寄ってきた双方の信頼が崩れてしまう気がしたのです。

組織人として、裁量以上の約束をしてしまいことは、当然にやってはいけないことです。
しかしながら、「信頼」を勝ち取るためには、多少のリスクを冒すことも必要だと思うのです。

「組織の役割分担と自分の立場を理解したうえで」という条件が絶対ですが、時には、自分の権限を越える判断をしてもよいと信じます。


ただし、その後は、何故そのような判断をしたのかを、組織の上位者に説明をしましょう。
そのときは、感情に訴えることなく、論理的に。


というわけで、本日のパパからのメッセージは、

「ときには裁量以上の判断をしてもよい。相手からの信頼を勝ち取ることを優先せよ!」

です。


理論と感情の絶対的なバランス感覚は、一生かかっても身につかないかもしれません。

でも、あきらめずに日々の出来事について「理論と感情のバランスがどうであったのか」を振り返りましょう。
思考することでしか、感覚を研ぎ澄ましていくことはできないと思います。