その46 親から自立する気概を持とう!

久しぶり(約2か月ぶり)に小説を読みました。
(最近、パパの読書は、ビジネス書、ノンフィクション、エッセイに偏りすぎていました。)

読んだのは、津村記久子さんの芥川賞受賞作「ポトスライムの舟」です。

経済的に恵まれていない状況下で、自らの境遇を受け入れ、静かに強く生きる女性がリアルに描写されていて、ある意味今の時代を生きる津村さんの同世代の人なら誰もが共感できるだろうなと思いました。

神田昌典さんが講演会の中で「これからの時代は「女性の感性」あるいは「女性的な感性」がビジネスのキーワードになる」と言う旨を仰っていましたが、そんなことを理解するうえでも、役立つ一冊でした。

ビジネス書的な纏め方をすると、

■現実を受け入れること
■目標を数値化すること
■実績をノートに書くこと

ということが、見習うべき点です。


しかし、純文学作品なので、単にそんなテクニック的な部分より、「女性の感性」な部分の気づきを纏めたいと思います。

まず、このこの作品に登場する人物は、男性に頼るという態度を示しません。
それも「何か決意表明をして男に頼らない!」ということではなく、「男に頼るという発想がそもそも存在しない」のです。

これが、津村さんの世代では、パパたちが思っている以上に当たり前になっている現実なのでしょう。

パパを含めた、世の男性がここを履き違えると、とてつもなくギャップが生まれてしまうような気がします。
(実際に、パパとママとのすれ違いも、パパがこのような考え方を理解できていなかったことも一因だったのだと思います。)

なので、一つ目の気づきは、

■現代女性の自立はごく自然なものであり、そこに男性が存在しないことも当たり前のことである

です。


そして、もう一つの気づきは、

■他人同士で支えあう時代がやって来る

です。

これまでは、生活に困ったら、両親、兄弟姉妹、親戚が面倒を見るのが、当然でしたが、この作品に出てくるように、他人であっても当たり前のように支えあう時代がやってくるような気がしました。

一般的には、「団塊の世代は、まだ蓄えに余裕があるので、自分たちの子供たちを支える余裕がある」と言われているようですが、果たしてそうでしょうか?

例え余裕があっても、地域に「働き場」がなく、同居できないこともあるかもしれません。

で、あれば、地域ネットワークや友達ネットワークで支えあうような社会にシフトしていくはずです。

それも、自治体やらボランティア団体の主導ではなく、個人レベルで浸透してくるような気がします。


で、この2つの気づきから導き出した、次の時代を生き抜くためのパパからのメッセージは、

「親から自立する気概を持とう!」

です。


もちろん、気概なので、無理に別居をしなければいけないとか、ママの面倒を見る必要がないということではありません。

自分だけで生き抜いていく考えを持たないと、時代にマッチせずに、結果的にうまく人生を生き抜くことができない可能性が高くなるということです。

気概と行動は別物ととらえてください。


ところで、パパが、「ポトスライムの舟」を読んだのは、ちょっとミーハー的な理由です。

津村さんの芥川賞受賞時のインタビューで、「会社で働きながらマイペースで作品を書き続けます」と答えているのを聞き、とても慎ましい人だなーと、なんとなく気にかけていたところ、三省堂神保町店でサイン会があることを知って応募したのがきっかけです。

で、本日がサイン会で、行ってきました。

津村さんは、こちらが恐縮してしまうくらい、慎ましい方でした。

昨日バレンタインデーだったので、「流行の逆チョコです」と言って、スタバで買った「チョコレート類」をプレゼントしたのですが、何度も、何度もお礼を言われました。

かえって気を遣わせてしまい、申し訳なく思いながらも、津村さんの人となりに触れられて、とても爽やかな気分になりました。