その83 花の見ごろは満開だけでない。花が咲いていく過程も見て、そこから何かを感じよう!

事務所へ向かう途中の桜並木で、初花(今年はじめての桜(ソメイヨシノ))を見つけました。

東京の開花宣言が21日だったので、2分から3分咲きになっているかと思いきや、意外と探すのに苦労をしました。

ゆっくりと天を仰ぎながら、歩みを進めると、薄灰色の空を背景に一輪の桜。

ようやく見つけた、今年はじめて桜の花に本格的な春の訪れを感じます。


昨日は、ランニングをしながら考えた走句ではなく歩きながら考えたので歩句。

■初花に薄灰色の春屏風


「初花」という言葉は、パパがはじめて参加した句会のテーマでした。

その句会へ参加するまでは、桜のイメージといえば、「満開の桜の華やかさ」や「散り際の桜の儚さ」くらいしかなかったのですが、「初花」という季語を知って、桜に対するイメージが広がりました。

パパのごく個人的な感覚ですが、「初花」には、その少し弱々しい容姿とは対照的に、強い生命力のようなものを感じます。

その生命力から連想して、決意、出発、洗心、というようなイメージが拡がっていきます。


「初花」という言葉を知って、桜に対するイメージが拡がったことは、パパにとってとてもインパクトがありました。

これまでの季節の感じ方が、いかに断片的であったことか。

一つの事象に対して、ほんの少しだけ軸をずらしてみると、単に観測点が増えただけではなく、元の観測点から新しい観測点までが線で繋がり、その線上でいろいろな角度で物事を捉え、感じることができるようになるような気がします。

この感覚を、季節だけではなく、普段の生活や仕事にも応用できればと思います。

まだ、満開には程遠い桜で、このように昂揚した気分になれるのは、素直に嬉しい気がします。


本日のパパからのメッセージは、

「花の見ごろは満開だけでない。花が咲いていく過程も見て、そこから何かを感じよう!」

です。


なんとなく気分のよいまま、家に帰ってきて、先日会津若松で買った「飛露喜 特別純米生酒」を飲みました。

甘く、すっきりとした飲み口に、一人、花宴の世界へ浸った気分でした。