その97 個人レベルで、組織の中での個々の役割を理解するような組織にしよう!

昨日はシステムの切替初日でした。

運悪く既存バグが露見してしまいましたが、新年度対応の部分に関する障害は0。

まずまずの滑り出しです。


ただ、致し方のないことですが、どうも切替の初日は、チーム全体が浮つきます。

朝のミーティング時に、淡々と自らの業務を全うするようにと各メンバに申し伝えたのですが、守られませんでした。

組織なので、それぞれに役割分担があり、個々がその役割を全うすべきと思うのですが、興味本位で他人の領域まで顔を出し、自ら行うべきことを放棄するが如くは、規律違反である要に思えます。

当事者としては、仕事をやった気になるのでしょうが、組織の生産性という観点からすると大きなマイナスです。

せめて、自らの役割以外の業務に関わろうとするならば、リーダの了解をとった後に行うべきです。


ベティ・L・ハラガンが著書「ビジネス・ゲーム」の中で、軍隊組織の「命令の鎖」について言及しています。

ハラガンは、会社組織で生き残るためには、「命令の鎖」を意識して、上位者に逆らわないことであると問うています。

近代の軍隊では、命令系統が明確になっており、司令部で立案された命令が一兵卒に降りてくるまで、完全に上意下達です。

なぜなら、軍隊では命令系統の維持こそが、勝利のための絶対的条件であるからです。

戦略を無視した戦術は、何ら意味がありません。


しかし、戦術を完成させるべき「単なるコマ」である一兵卒は、実は戦略など全く知らないし、戦術についても曖昧な理解であるかもしれません。

それでも、上意下達は徹底的に守られます。

これは、理想社会実現のための戦略を完成させるべきというような崇高なものではなく、至極個人的な事情によるところであるように思えます。

戦場では、上位者の命令を聞かないことは死を意味します。

その死の恐怖から逃れるために、「命令の鎖」となり、過酷な戦術を遂行するのです。

戦争という大きな恐怖を皮膚の下に隠すのは、強靭な精神力などではなく、目の前に存在する別の個人的な恐怖なのです。

もちろん自衛隊などは、戦場に赴くことはない?ので、死の恐怖に晒されることはないことが前提になります。

ただ、過酷な訓練の過程において、擬似的に死の恐怖と同等の恐怖を、徐々に植えつけられていくのでしょう。


一方、我々サラリーマンは、当然に死に直面しませんし、自衛隊のように、死と同等の恐怖に縛られているわけではないです。

なので、効率的な組織運営を目指すのであれば、軍隊のそれと「全く違う別のもの」を拠り所として、「命令の鎖」になることが必要となります。

もちろん、「クビ」が、「死」と同等という考え方もあるのでしょうが、そのような封建的な組織では競争社会で生き残れるわけもありません。

組織としての「全く違う別のもの」を探す必要があるのです。

パパが考えるのは以下の2つです。

■個人レベルで「命令の鎖」の意味を理解すること。すなわち、生産性の向上のために個を捨てることができること。
■上位者が部下と絶対的な信頼関係を築くこと。

このうち、有効なのは、個人レベルで「命令の鎖」の意味を理解することであると思います。

信頼は一見素晴らしく見えますが、一代限りである可能性が高いので、実はとても危ういです。

地味ですが、個人レベルで、組織の中での個々の役割を理解するという方法こそが、唯一、組織を持続的に効率的にあらしめる方法なのです。


本日のパパからのメッセージは、

「個人レベルで、組織の中での個々の役割を理解するような組織にしよう!」

です。


風通しのよさを保ちながらも、個々の役割を認識して、クールに仕事をこなしていくようなチームとなるよう努力することが、パパの当面の課題です。