その98 印象に残った映像を文字に落としてみよう!

今年はずいぶんと長い間桜を楽しめます。

3月21日の開花宣言以降、満開まで11日間かかったこと、満開後天候に恵まれ、花散らしの雨が降っていないことが直接的な要因ですが、個人的には、句会なるものに参加して、俳句の世界を覗き込んだことが間接的な要因となっているように感じています。

これまでであれば、8分咲きから満開までの、ほんの2−3日しか桜を直視していなかったような気がします。

しかし、今年は確実に桜に対する見方=意識が変わっています。

句会で「初花」(その年の初めて見る桜の花)という言葉を知り、薄灰色の空に溶け合うように咲いていた一輪の桜を見つけたときの喜び。

花筏」(桜の花びらが川面を流れている様子)という言葉に、先人の感性の豊かさに感服して、素直にその物語に引き込まれていったときの清々しさ。

桜に対する多面的な捉え方、それも視覚にとどまらない質感を感じることができ、断片的ではありますが、心が和らいでいる時間が相対的に増えたような気がします。

相当に恥ずかしいのですが、この1週間くらいの間に、思いついた駄句を並べてみます。


■濡れそぼる難産桜のしたたかさ

■春雷に怯える蕾時を止め

■颯爽と君歩み発つ桜道

■待ち人の身をほころばす桜屋

■古寺の気高き桜に妻想ふ


あらためて、文字に落としてみると、それぞれの映像が頭の中にはっきりと思い浮かびます。

左脳的な俳句と、右脳的な映像がミックスされて脳に定着したため、記憶として引っ張りやすくなったのでしょう。

1週間前の行動に何をしていたか、最早忘れていることのほうが多いですが、これらの句に登場する桜は、はっきりと認識できます。

確実に人生の転換期であった2009年の春について、これらの句を残すことにより、断片的ですが映像を含めて記憶に留めておくことができるのは、人事のようですが実に興味深いです。


本日のパパからのメッセージは、

「印象に残った映像を文字に落としてみよう!」

です。


一昨日から続く、システム切替の対応のため、連日帰宅が深夜となっています。

体は疲れているのですが、6時前に爽やかに起床できました。

昨晩、事務所から駅に向かう途中の暗闇で見た、白く妖艶に輝く桜のパワーが、パパの疲れを癒してくれたのかもしれません。