その105 学級委員長に立候補してみよう!
ファシリテータ(座長)という役割はとても重要であると思いました。
新入職員向けの座談会で、仕事内容に関する質問を引き出しつつ、職場の雰囲気を伝えなさいというパネルディスカッションに出席してきました。
こちら側は、2年目から8年目までの若手5名+パパの総勢6名。
新人さんたちが、6、7名 × 5グループ。
これを1グループあたり20分程度で、流れ作業で話を進めていくという内容です。
パパを除く、5人がそれぞれファシリテータを務めてもらいましたが、ファシリテータの進め方一つで場がコントロールできることを実感しました。
まず、ファシリテータは制約事項と目的を把握する必要があります。
今回でいうと、制約事項は、
■時間は自己紹介を含めて20分。
■相手は、この4月に社会人になったばかりの新入職員6人から7人。
目的は、
■第一義として、新人さんたちに部門の業務内容を理解してもらう
■第二義として、部門の魅力をアピール
■第三議として、グループへの勧誘
であったと、パパは考えます。
ところが、最初の人事の説明がいい加減で、1人2分くらいで自己紹介などというものだから、いきなり目的の第3義に入ってしまい、ほとんどの回では、パネルディスカッションの体をなさなくなってしまいました。
ファシリテータによっては、意識して部門の業務内容や魅力について引っ張りだしていた者もいたのですが、多くは、新人さんたちからの質問にストレートに回答するだけで、目的とは違う方向で、ただ雑談をしているようにしてタイムアップとなってしまいました。
では、うまく目的を達したファシリテータと目的を達することができなかったファシリテータには、どんな差があったのでしょう。
それは、自らの役割を意識して、黒子に徹することができるがどうかの差であったと思います。
まず、聞き手である新人さんたちは、「どこの部門に配属されるか」が目下、人生で最大の関心ごとであると言える状態であること疑いがありません。
なので、積極的に質問をしたいかは別にして、パネラーの話を真剣に聞く状態にあります。
そうであれば、たとえどんな稚拙な質問であっても、聞き手の興味に持っていくような話をするのがパネラーの役割であり、パネラーが違う方向に話しを進めていきはじめたときに、話を元に引き寄せるのが、ファシリテータの役割であると思います。
今日進行が上手かったファシリテータは、先輩が暴走をはじめたときに、「はい、そこまで!」と言って話を強引に打ち切っていました。
これは、横道にそれた話を聞き手の興味のある話題に戻すという第一義的意味に加え、先輩に対してても(良い意味で)軽口を叩けるという、職場の風通しのよさ、つまり、第二義的意味もアピールする、なかなかの仕切りぶりでした。
このように自分の役割が進行であることを意識して、その役割の中で、いかにウィットを聞かせるかが、このパネルディスカッションの成否を左右するものでると思います。
そして、このようなファシリテータの役割は、普段の生活や仕事の中でも、活かせるかと思います。
目的が何であるかを意識して、でしゃばらずに、その場にいる人の意見を聞き出し、話が本道から外れかけたら、うまく修正していく。
いつもファシリテータである必要はありません。
たまには、自らの主張を大声で通すような役割であることも必要でしょう。
しかし、ファシリテータとしての役割は、いつ何時巡ってくるかわかりません。
小さなことの積み重ねなので、子どものときから、コツコツと経験を積むのがよいでしょう。
例えば、学級委員などは、うってつけのプラクティスの場です。
まず、学級会の当日、目的を黒板に書いて、皆で共有します。
そして、クラスのみんなに意見を聞いていきます。
必ず、何人かの意見を聞いていると、必ず話が横道にそれていきます。
そのとき、一人黒板を振り返り、元の道に戻すよう、穏やかに誘導していきます。
たとえ自分と異なった意見がでてきたとしても、今の役割は、司会進行なのです。
そして、そのことを心がけ、黒子に徹することができれば、もう名学級委員長の誕生です。
機会があれば、是非とも挑戦してください。
本日のパパからのメッセージは、
「学級委員長に立候補してみよう!」
です。
仕切りができる人は気遣いのできる人だと思います。
自らが目立つだけでなく、相手をたてること。
このバランス感覚は、なかなか身につかないものです。
小さいときから、いろいろな経験をして、よいファシリテータになってください。