その136 人の動き見ながら自分も動いてみよう!

昨日、茂木健一郎さんの講座を受けてきました。
朝日カルチャーセンターの「脳とこころを考える−脳と美」です。
茂木さんの講演会は3回目でしたが、これまでの大手書店系開催セミナーとは異なり、まさに「講座」でした。

前半は、東京工業大学の細野秀雄さんの話。
 http://www.msl.titech.ac.jp/member/profile/hosono.html
詳細は、5月26日の「プロフェッショナル 仕事の流儀」で放送されますが、超電導物質という新素材を開発した科学者の物語です。
(昨年の論文引用件数1位だそうです。)
細野さんは、このような画期的な発明をしたのですが、決して満足はしていないそうです。
目指すのは、「貴重元素を使うのではなく、どこにでもある物質から役に立つものを作り出したい」ということ。
なぜか?
「公害が出るのは、自然界にない元素を使うからだ」という信念があるから。
公害というキーワードは、高専時代のある人との出会いから、細野さんの心に重しのようにずしんと乗っかっているようです。
世紀の大発見をしながらも、自らの果たすべき使命へ向かう純粋な気持ちに、「心の美さ」を感じると、茂木さんが絶賛をしておりました。
「奇跡のりんご」の木村秋則さんと同じ「心の美しさ」があるという、細野秀雄さんの話が、どれほど視聴者に感動を与えてくれるのか、5月26日の放送が楽しみです。

後半は、ヘルベルト・フォン・カラヤンの話から、ミラー・ニューロンの話へ。
まずは、You Tubeで、カラヤンの日本公演の模様や、小沢征爾氏との対談の模様を流しながらの講義。
なぜ、カラヤンが指揮をすると音が変わるのか?
カラヤンは外面はギリシャ彫刻のように美しいのですが、声がダミ声で、とても美しいとは言えません。(インタビューの音声ではじめて知りました。)
しかし、我々は、ベルリンフィルの演奏は聴いても、カラヤンの声は聴きこえません。
認知するのは、カラヤンの美しい容姿と究極までに意識された指揮のパフォーマンスだけです。
外面の美しさを貫き、それが内面の美しさに磨きをかけ、それを表現すると、見ている人にも影響を与えるのでしょう。
「The mirror neuron system」
これが、本日のメインテーマです。

ちなみに、ここで軽い驚き。
茂木さんの朝日カルチャーセンターでの講義では、当たり前のようなのですが、配布された英語の論文(ミラーニューロンに関するレビュー論文)を受講生が読み上げます。
まあ、英語はさっぱりわかりませんでしたが、その後、茂木さんがきちんと解説をしてくれるので、英語ができなくても特に問題はありませんでしたが、なんだか茂木ゼミみたいでした。
■mirror neuronは、頭頂葉前頭葉にあるが、頭頂葉は「相手の意図への反応」、前頭葉は「相手の動きへの反応」と役割が異なっている。
■サルへの実験で、視覚的な動きに対するmirror neuronの働きを確認。
■しかし、サルは、動きのないもの(他人の意思)に対する反応はできない。
■つまり、相手の見かけの行動と内面の違いがわかるのは、人間だけである。
Mirror neuronを解き明かしていくと、脳と心の関係が解明されるかもしれないと思いました。

ところで、この講義の中で、茂木さんが、実践的なMirror neuronの使い方を教えてくれました。
このMirror neuronの働きですが、
①相手の動きを見ながら自分も動く
②自分だけ動く
③相手の動きだけを見る
の、いずれでも反応をします。
が、その反応の強さは、①>②>③の順となります。

つまり、これを応用すると、
「他人(教え手)の動きをみながら、自分でもやってみる」
ことにより、効率的に物事を習得できる・・かもしれません。
あらゆる物事に当てはまるわけではないかもしれませんが、やってみる価値はあります。


なので、本日のパパからのメッセージは、
「人の動き見ながら自分も動いてみよう!」
です。

本日の講義で印象的だったことをもう一つ。
茂木さんに、何度もイジられていましたが、今回の講義に中学生が参加していました。
パパさんと一緒の参加でしたが、中学2年生で、茂木さんの講義に出るとは将来末恐ろしいです。
親の意識の高さ・・
君たちにも味合わせてあげたいなー。