その163 自分の立場が強い状態のときは、自分の意見を言う前に相手の話をじっくり聞こう!
君たちと過ごした街へ行くのも今日が最後でしょう。
どうしてもやらなければならない事務的な用事があったため、慣れ親しんだ駅で電車を降りました。
梅雨入りをした途端に晴れ上がった天気と、落ち着いた街並みがマッチしていて、気持ちがよかったです。
平日の午前中に歩くことなどほとんどなかった閑静な住宅街は、実に整然としていて、今さらながらに新鮮でした。
そうは言っても、君たちに直ぐ手が届きそうな位置にいながら、声をかけることのできないもどかしさ。
反対側へ歩き出せば、きっと元気に走り回っている君に会えるかと思うと、決まってしまったルールとは言え、破ってしまいたいという衝動に駆られてしまいます。
でも、それでは信頼関係が崩れてしまいます。
見ていないところで、こそこそしても、きっとバレはしないでしょうけれど、それでは嘘つきです。
嘘はいけません。
結果を恐れずに、本音で勝負をしましょう。
実直に生きていれば、きっと良いことがあります。
真面目に正直に生きる姿勢がパパの矜持です。
ただし、自分の思い込みによって、相手に迷惑をかけていはいけません。
正直さと思い込みは表裏一体のような気がします。
自分に正直に熱くなればなるほど、後には引けなくなり、気持ちが硬化していってしまいます。
相手の思っていることを断定することなどできないはずなのに、断定する人のなんと多いことか。
そんな間違った思い込みによって、傷つく人がいることを忘れてはいけません。
特に自分より弱い立場の人に対しては、断定的な物の言い方をしてはいけません。
なぜなら、強い立場の人が言ったことがまかり通ってしまうことがままあるからです。
最近、冤罪のニュースをよくみかけますが、それでも、警察や検察でさえ、私人間の関係に比べれば、よっぽど公平だと思います。
精神的な追い込みをかけて、嘘の自白を強要する手口は、問題ではありますが、これは一部のモラルのない警察官でしょう。
それより民事はもっと酷いです。
動機や証拠などには、興味を示そうともせずに、とにかく結論を導きだしたがります。
それも、前例に当てはめてしか考えられず、それが嫌で先に進もうとすると、そにかく回避しようと、あの手この手を使ってきます。
そしてそれでも納得ができなければ、裁判を起こさなければならず、金も時間も費やしてしまうことになります。
法曹界の人間をもっと増やして、誰もが気軽に法律相談をできる国にするという政策もありましたが、法曹界の人間が批判している以上は、当初の理想どおりにはならないでしょう。
警察や検察の傲慢な態度ばかりが批判されておりますが、例えば我々の味方であるはずの弁護士だって同じだと思います。
合理性を優先して、前例に押し込めようとするスタイルが変わっていかない限り、日本には、気軽な法律相談は定着しないと思います。
基本的には、弱者は強者に従わざるを得ないことが多いのです。
正直に生きつつも、自分が相手より強い立場にいるときは、相手の話をよく聞いたうえで、自分の意見を述べましょう。
相手の話をきいているうちに自分の考え方が変わってくるかもしれません。
本日のパパからのメッセージは、
「自分の立場が強い状態のときは、自分の意見を言う前に相手の話をじっくり聞こう!」
です。
ところで、相手の話をじっくりと聞くということはスピード感が出ないということでもあります。
場合によっては、スピードが最優先されることもありますので、あくまでも臨機応変に使い分けましょう。