その167 人間は本質的には怠け者であるということを理解しよう!

システムの品質を向上させるためのプロジェクトへ参加しているのですが、どうも違和感があります。

事務局の人たちは、それなりに勉強をしており、一生懸命やっているのですが、現場では事務局の提示した向上策について、真剣に取り組んでいないというのが実情です。

つまり、両者の間にギャップが存在するのです。

システムの品質を向上させたいという思いは一緒のはずなのに何故か?


いくつか原因がありそうなので、パパなりに分析してみます。

1.過去の成果が数値で表されていないため現場が懐疑的である。
2.毎年のように新しい取り組みが増えていく一方、過去の取り組みがそのまま放置されているため、品質管理にかかる作業量が増え、本業を圧迫している。
3.全工程にわたって無理やりに品質向上策を打っているため、ポイントがぶれる。
4.人間が本質的には怠け者であるということを理解していない。


1.過去の成果が数値で表されていないため現場が懐疑的である

まずは過去の取り組みにおいてどれだけの成果をあげたのか、できる限り具体的に示すべきです。
それもできれば定量的に示して欲しいものです。
このPJに参加するからといって、仕事が減るわけではありません。
積極的に手を上げて参加した人もおりません。
そのような、消極的集団の目を見開かせるためには、誰にでもわかるような成功例が必要です。
相手をやる気にさせるには、言うことを聞いていれば必ず上手くいくと信じ込ませることです。


2.毎年のように新しい取り組みが増えていく一方、過去の取り組みがそのまま放置されているため、品質管理にかかる作業量が増え、本業を圧迫している。

これは、ありがちな話ですが、人は新しいアイディアを考えているほうが楽しいし、世の中の役に立つと思ってしまいがちです。
しかしこれは誤りであると断言します。
まずは、現状を見つめ、上手く機能していないものの改善を図り、それでもダメなら思い切って捨ててしますことです。
そのうえで、代替案である新案を提示すべきです。
ところが、過去の対策についての評価を行わないまま、新しい提案をされることが多いです。
結果、作業量が増え、このPJに不満が蓄積されてしまう結果になってしまいます。


3.全工程にわたって無理やりに品質向上策を打っているため、ポイントがぶれる。

障害は一つの要因から発生するものではないことは理解しています。
いくつかの些細なほつれが、重なりあって、大きな穴となってしまうものです。
とは言え、すべての工程に目を光らせ、各工程に何らかの対策を講じ、実行するのは、非生産性の極みであるように思えます。
「経済なんだよ、馬鹿!」
少し古い噺ですが、ビル・クリントン大統領の選挙参謀が陣営のミーティングで吐いた言葉です。
要は、ポイントを明確に絞らなければ、民衆はついてこないということを示唆しています。
どこかの工程を集中的に対応する。
このことによって、特定の工程におけるバグを徹底的に取り除く努力をした後に、別の工程の対策を考えるといった方法でないと思考が奥深くまで浸透しないようが気がします。


4,人間が本質的には怠け者であるということを理解していない。

人間は優先順位をつけて行動します。
何も制約がなければ、できれば楽をしたいと考えています。
そのような人たちを動かすためには、精神的にストレスを与えずに、気持ちよく行動させることを意識しなければなりません。
できれば、主体的に行動するように仕向けることです。
怠け者は他人から与えられた仕事はできればやりたくないものです。
そんな人たちに主体的に行動してもらうためには、シンプルに負荷を感じさせずにすることです。
例えば、精度の高い回答を5割得るより、多少精度が落ちてもそれが8割、9割集まったほうがよいのです、
そして、8割9割の回答を得るために、相手の立場にたって物事を考えてみましょう。
そすると、結果的に相手の負荷をかけない方法に工夫がされていくはずです。


ただ、このように問題点を収集するだけでは、前へ進まないので、これらの考え方をPJ事務局にぶつけていって、相互に品質が上がるような新しい取り組みへと発展させていきたいです。


本日のパパからのメッセージは、
「人間は本質的には怠け者であるということを理解しよう!」
です。

怠け者もどこかに沸点があって、その沸点を超えると、とてもよい理解者に変貌を遂げるものます。
なので、その沸点を探すためにも、数を減らして、中身もシンプルにしましょう。

人はできることしかやらないということを覚えておいてください。