その194 とにかく自分なりに考えてみよう!
キリンとサントリーが経営統合するというニュースには」驚かされました。
ともに、日本国内では知名度もあり、これまで長きにわたり、ライバルだった両者が、素人からみれば「まさかの展開」です。
ましてや、サントリーは株式公開をしておらず、創業一族の強固な企業理念が透けて見えていたので、インパクトは大です。
経営統合の理由は、少子高齢化による国内市場の成長の限界から、さらなる成長を目指すべく、軸足を海外に移すためのスケールメリットの追求といったところでしょうか。
人口比率に占める成人の割合が増えていく分には、主力であるアルコール類の消費は、ある意味安定しているという見方もできるかもしれませんが、人口の絶対数減という事実が、危機感を募らせたのでしょう。
さすがに、先見の明があります。
これからは世界規模で勝負をしていかなければ、これまでと同様の利益の確保が難しいに決まっています。
でも、どうしても世界で勝負しなければならないのでしょうか?
国内市場の縮小が予想されたら、それを海外で補えばよいという考え方は、経営学的には当然の選択肢であると理解がしているつもりですが、どうも戦前の植民地政策のようで違和感があります。
例えば、ビールや清涼飲料水など、規模は小さいかもしれませんが、それぞれの国に何某かのメーカーがあるはずで、その存在はどうなってしまうのだろうと気になります。
無理に海外への進出などせずに、徐々に縮小する国内の市場に併せて、それに見合う機能にそぎ落としていき、結果、身の丈にあった経営をしていくとうようなことができないのでしょうか?
みんながみんな世界で勝負をしようとしたら、当然、誰かが勝ち、誰かが負けてしまいます。
今回のキリンとサントリーは、ネスレとかコカコーラとかの世界企業を向こうに廻し、ひょっとすると世界でいい勝負ができるかもしれません。
でも、こんな例は、少ないはずです。
大抵の企業は、国内市場が縮小したら、それを補う術を知りませんし、知っていたところで行動ができないはずです。
だからこそ、ピーク時から数年、数十年先の規模縮小を予測して、少しづつ経営をスリム化していくような経営モデルが必要であると考えるのです。
このままだと、大半の企業が淘汰されてしまいます。
いかに優秀な経営者がいても、優れた技術があっても、人口減による絶対的な消費の落ち込みという環境の変化には、そうそう耐えられないはずです。
皆、来るべき未来はわかっているはずなのに、根拠もなく自分のところは大丈夫などと楽観視していては、間に合いません。
経営コンサルタントも、短期的に夢を見させることに力を注ぐより、現実をつきつけるべきです。
そして、5年後、10年度に規模が縮小した状態を見据え、より将来性のない事業は思い切って捨てたり、収益に繋がりそうにない経費を大幅に削減し、借金を減らし、内部留保を増やし、来るべき時に備え、身軽にしておくべきです。
しかし、それとて焼け石に水なのかもしれません。
身軽にしたところで、次の戦略がなければ、スリム化は、単なる延命措置にすぎないからです。
したがって、やっぱり本質的には、確固たる収益の柱が必要です。
事業のスリム化を図るとともに、自分の強みを再認識して、その強みを最大限発揮できるものが何であるかを見極めておく必要があります。
そして、それを見極めたら、資金、人材をそこに集中して、たくさんのアイディアを出し、どんな状況となても慌てずに対処できるようにしておくべきです。
今回のキリン、サントリーの経営統合の話から、あまり楽観的とは言えない日本の未来が透けて見えてしまいました。
少子化対策も、限界があるでしょう。
いっそのこと、移民を受け入れるべきであるとも思います。
ボーダレス化した社会で、特徴を発揮するためには。移民政策を受け入れない手もあるのかもしれませんが、理念・思考も活気ある経済活動があってこそです。
思い切った政策転換をはからないと、皆とも連れで、底なしの沼にはまってしまいます。
近視眼的な発想をして、遠くを見据えたダイナミックな考えにシフトしていかないと、未来が開けないような気がして仕方ありません。
ひょんなことから、随分と大それたことを考えてしまいました。
思いつきであり、矛盾点もたくさんあるとは思いますが、あるニュースを切欠に、思考を張り巡らせたという事実は本当です。
何も感じず、何も考えないよりはよいかなと考えます。
自分の頭の中でいろいろなことを考えるのは、誰に迷惑をかけるわけでもないので、全くの自由です。
いつの日か、誰かから正しい答えを教えて貰えるかもしれませんし、ずっと答えがわからないかもしれません。
ただ、大事なのは、自分なりに考えてみることだと思います。
本日のパパからのメッセージは、
「とにかく自分なりに考えてみよう!」
です。
あとは、自分の考えに対して、適度に頑固に、適度に柔軟にというバランス感覚が加われば、言うことありません。
このバランス感覚を身につけてこそ、人生の成功者になれるように思えます。