その280 人前では明るく振舞おう!
この余韻がどこまでも続けばよいと思います。
昨晩は、プロ野球パリーグの優勝が北海道日本ハムファイターズに決まりましたが、その裏で、千葉ロッテマリーンズの今季ホーム最終戦が行われていました。
ボビー・バレンタイン監督と小宮山悟投手が、今季限りでマリーンズを去ります。
試合そのものは、終盤までは、成瀬投手と岩隈投手がそれぞれランナーを出しながらも要所を締める、緊張感のある試合で、たんたんと進んでいきました。
そして8回裏に試合が動きました。
2アウトからツーベースで大松選手が出塁すると、続く今江選手の打球が浅めに守っているレフトの横を抜けていき、待望の勝ち越し。
橋本選手の四球を挟んで、里崎選手のライトへの大飛球は、降りしきる雨とライトスタンドの声援が絶妙なフォローをしてなんともラッキーなスリーベース。
3点差で9回を迎えます。
そして、2アウト2塁のところで、「ピッチャー小宮山」のアナウンス。
スタンドのボルテージは最高潮に達します。
このとき電光掲示板の左から右へ流れてくる「小宮山」の文字は、心なしかいつもよりゆっくりであったように見えます。
投手交代時には、通常投手コーチがマウンドへ向かうのが通例ですが、ボビー自らがボールを小宮山投手へ渡します。
そして、セギノール選手へ投じた第1球。
膝元にグニュッと曲がってくるスライダー。
あたりは良かったのですが、ライトの守備範囲。サブロー選手が造作もなく捕球しゲームセット。
優勝にはからまず、これからTV等で繰り返し放送されることもないでしょうが、パパの中では伝説のゲームでした。
解説のジョニー黒木氏も仰っていましたが、もう少し小宮山投手の投球術を堪能したかったです。
「ボールの出し入れ」と「タイミングの妙」
これが小宮山投手の真骨頂だと思います。
パワーが衰えても、経験に裏打ちされた技術があれば、対応できるものです。
工藤投手や山本昌投手もそうですが、「年齢による限界」という概念を自ら取り払うことが前提になっているように思えます。
まずは、自分の長所を把握して、そのうえで組織・チームにおける自らの役割を理解することにより、自分の存在価値をキープし続けることができるのでしょう。
小宮山投手の野球人としての姿勢を通して、ビジネスをしていくうえでの普遍的な概念を学ばせてもらったような気がします。
そして、ボビー。
千葉ロッテに限らず、日本の各球団が、ファンサービスにここまで力を入れるようになったのは、間違いなくボビーの功績でしょう。
バイタリティの源は、他人へのサービス精神ではないかと思います。
アメリカ人だからできるといって壁を作るのではなく、よいことはどんどん取り入れるべきです。
セレモニーでのマイクパフォーマンスは、全編日本語によるスピーチでした。
「永遠に僕のほおに千葉の風を感じています。ロッテの応援が僕の耳の中にあります。
ファンの皆さんの愛が僕の心の中にあります。
僕は千葉ロッテマリーンズを忘れません。愛してま〜す!」。
素敵な詩です。
涙がでてきました。
異国の地で、これほどまでにファンから愛されるためには、相当な苦労があったはずです。
しかし、それを人前では一切晒さずに、明るく振舞う姿を、少しでもよいから真似したいと思いました。
小宮山投手、バレンタイン監督。
長い間ご苦労さまでした。
本日のパパからのメッセージは、
「人前では明るく振舞おう!」
です。
そして、パパの「今日のよかった!」は、
「伝説の試合を見ることができた!」
です。