その282 自分の理念に共感してくれる人だけを相手にすればよい!
マザーハウス代表で「裸でも生きる」の著者である山口絵理子氏の講演会へ行ってきました。
ご自分でも仰っていましたが、もともと内向的な性格で、人前でしゃべるのも苦手とのこと。
確かに、やや早口で、聴衆に媚を売るような態度も見せず、自分の信じることを愚直に語っていた印象があります。
そこが、山口氏の魅力なのでしょう。
聴衆が皆、山口氏の話に引き込まれていくのがわかります。
そしてなんとも印象的だったのは、相手をまっすぐに見つめて視線をそらさずに話をすること。
講演会後半の質疑応答のコーナーでは、時より笑顔を見せながらも、質問者から決して視線をそらしていませんでした。
可愛らしい顔や華奢な体からは想像もつかない、圧倒的な迫力があります。
決して目に見えることはありませんが、芯の強さというのは、確かに相手に伝わるものだと思いました。
講演の内容は、「裸でも生きる2」の本の内容を、マザーハウス副社長である山崎大祐氏がインタビューしていくスタイルで行われました。
さらりと語っていますが、壮絶な話のオンパレードです。
騙されても、裏切られても、決してあきらめない行動力は、一体どこから沸きあがってくるのでしょう。
この人が目指すものは、自分の生活に関する目先の成功というレベルのものではなく、本気で貧しい国の一助になりたいという崇高なものだと感じました。
講演会へは、多くの大学生も参加していたようです。
パパたちが大学生だったころには考えられませんが、彼・彼女らは、本気で社会起業を目指しているのです。
無責任と言われることを承知で、是非とも山口氏を見習って、どんどん社会起業を目指して欲しいものです。
山口氏の話や、その話を真剣に聞く学生を見ていると、なんだか、日本の将来にかかっていた重苦しい雲の間から、一筋の光が差してきたような感覚です。
そして、講演会の中から、印象に残った言葉をいくつか。
■人との比較は愚かである。自分の信じていることをやっていれば満足できるはず。
■(柔道の試合での)はじめての拍手が私をポジティブにしてくれた。
■夢を達成していく過程は、嬉しさもあるが同時に不安もある。
■日々のオペレーションが崩壊していく速さ
■危機的状況でこそ自分でやるべきことが思い浮かぶ
■金で換えられるものはよい。人を失うのは辛い
■スタッフの前では泣かない。それがマネージャーである
■従業員に「自分たちは選ばれている」と思わせること
■(スタジオで撮った可愛らしい写真に対して)「自分らしくなくて嫌だ」
■イメージを思い浮かべることが大事。考えていることが現実になる。
■Keep Walking
■続けることの大切さ・良さ。自ら終止符を打たない。
■ストーリーテイラーであることが採用基準
■正直に言う。素直な気持ちを言う。動くことで示す。
■データを引き抜いてもわからない。自分の目で確かめる。
■理念に共感してくれる人を相手にすればよい
ところで、講演会と質疑応答の間に、マザーハウス社のビデオが流れました。
これは、まさに物語でした。
われわれはこの物語に共感して、マザーハウスの商品を購入するのでしょう。
神田昌典氏も仰っていましたが、「ネット検索」という革命により、誰もが簡単に商品の情報を手にすることが可能になり、その結果、品質の良さや価格の安さだけでは、勝負できない世の中になってきました。
商品に、会社に、社長をはじめとする従業員に、顧客を共感させて、はじめて勝負ができるのです。
山口氏の純粋な思いが、人を共感させ、その結果、マザーハウス社が成功しているのでしょう。
社会起業の成否の鍵はここにあると思います。
本日のパパからのメッセージは、
「自分の理念に共感してくれる人だけを相手にすればよい!」
です。
そして、パパの「今日のよかった!lは、
「一生懸命な人をみてモチベーションがあがった!」
です。