その290 物語を語ってファンを作ろう!
どのように物語を創り出すのか?
近年成功している企業は必ずといっていいほど、物語があるように思えます。
パパが好きなブランドや店には、それぞれに確固たる信念が存在していて、その信念に共感している自分がいます。
商品を選択する理由は、ここにあります。
品質やデザインを超えたところで、そのブランド、もっというならそのブランドができあがり、未来へと続いていく物語に一人のエキストラとして参加するために商品を購入しているのです。
■ディーン&デルーカでコーヒーを注文してノートパソコンを拡げることに、ニューヨークの街並みを感じ
■職場でふと見上げた突き抜けるような秋の青空に、社員をサーフィンに行かせる、パタゴニア社の創業者イヴォン・シュイナードの想いを感じ
■「MADE IN Bangladesh」のタグに、マザーハウス山口絵理子の誇りを感じ
この、五感では感じ取れないものが、パパを消費に走らせます。
たまたま上にあげた企業は、新しいところばかりでしたが、これは企業年齢には関係ないでしょう。
トヨタのプリウスが日本に先駆けて欧米で受け入れられたのは、環境問題に取り組み地球を救うというトヨタのメッセージにいち早く欧米人が反応したためでしょう。
バドワイザーのアンハイザー・ブッシュ・インベブ 社は、がんを克服した自転車の英雄ランス・アームストロングとスポンサー契約を結び、新しい物語を作ろうとしていることが垣間見えます。
規模の大小、歴史の長短に関係なく、企業は物語を創り出すことができるはずです。
そして、その物語が存在しないと、企業は生き残れないのです。
理由は、以前にも書きましたが、エンドユーザである消費者が、自らの意思で、インターネットなどを通じて情報を収集できるからです。
ただ、将来的にはわかりませんが、現時点では、まだインターネットの情報だけでは、人に訴えかけることはできていないと思います。
音や映像もありますが、そこから得た情報は、本やテレビを通したものには、まだ及んでいないです。
それはそうです。
作家が文字を書くだけ、カメラマンが映像を撮るだけでは、本もテレビ番組もできないのです。
それらができるまでには、多くの人が関わり、洗練度を増していくからです。
所詮、私たちは、本やテレビの情報により、物語を感じ、その後のインターネット検索で、自分でさらなる情報を付け加えて、自分なりの物語を発展させていくのです。
さらに言うと、きかっけが、友人や知人だと、物語に登場する人物が増えて、より物語化が促進されていくのかもしれません。
いわゆる口コミです。
いずれにしろ、ファーストコンタクトにおけるインパクトについてはネットの限界があるように思えます。
やはり、今のところ、本やテレビそれに口コミの補完的位置づけとして、インターネットで検索された企業のホームページがあると理解したほうが役割が明確になると思います。
音や映像を凝ったものにすることは可能なのでしょうが、どうしても、いつでも気軽にみることができるという気軽さがHPの地位を低下させてしまっていることは、いかんともしがたいことです。
ただ、物語の延長であることを忘れてはいけません。
企業の「商品一覧」より「History」に力を入れるべきだと考えます。
何を訴えたいのか真面目に表現することが大事になってきます。
そして、共感してくれたお客さんにファンになってもらうことです。
人は、自分がよいと思ったことを他人に伝えたいという性質があります。
いわゆるスピーカーです。
ファンをスピーカーとして、自社の物語を拡げていくような戦略をたてるうえで、既存メディアとインターネットメディアをどのように使い分けるのか、そろそろ真剣に議論をしないと間に合わないかもしれません。
本日のパパからのメッセージは、
「物語を語ってファンを作ろう!」
です。
そして、パパの「今日のよかった!」は、
「マザーハウスのバッグを注文した!」
です。