その297 世代間の壁を取り除こう!

THE HUMAN RACE 10Kという、NIKEが主催するランニングイベントで本栖湖を10㌔ほど走ってきました。

思ったより起伏が少なく、また、最後の2㌔くらいが、ずっと下りというコース設定のため、タイムの割りには楽でした。

残念ながら曇り空で、青空と富士山という絵図にはなりませんでしたが、薄っすらと紅葉が始まっており、山中湖や河口湖のように俗化されていない静かな湖畔を息が弾むくらいのスピードで駆け抜けていくのは、とても気持ちがよかたです。

ところで、このイベントは、NIKE社が世界的に仕掛けているイベントのようで、ニューヨークや上海など、世界中のと都市で何十万人ものランナーが、今日、10月24日に一斉に走るとのことです、

テーマは、「ランで世界がつながる日」。

技術的には、NIKEプラスという機械を靴に装着し、その情報を、インターネットで登録すると、世界中の人たちとタイムの比較ができるそうです。

ただ、このツールは全員が持っているわけではなく、狙いは、むしろ精神的なもので、世界中の人たちと一緒にランニングをしているという、よくよく考えずともに瞬時に何の意味もないと看破できるような、物語に皆が共有しているのです。

環境だとか、平和だとか、そういったものがあってもよさそうなものですが、潔いまでに何もありません。

意義なんて必要ないのです、

この大会のHPのTOPには、世界中の人たちがNIKEの赤いTシャツを着て、一斉に走り出す合成写真が掲載しています。

「自分もこのイベントに参加して、壮大なドラマの一出演者となる」

つまり、これだけで、十分物語が成立し、大会が成功するのです。


そして、NIKEの戦略は見事で、8割方のランナーがNIKEのシューズを履いていました。

もちろん、どこのメーカの靴を履いても構わないのですが、NIKEが格好良く見えるのが、日本人が律儀なのか、見事なまででした。

もう一つこの大会の特徴。

それは、若い人たちが多いことです。

昨今のランニングブームにより、ジョギングが年寄り臭いという印象は完全に拭え、若年層にも広がっていることは知っていました。

しかし、この大会は極端です。

中心は30代なのでしょうが、負けないくらい20代がいる感じがします。

40代以上は、ざっと見渡して1割くらいではないでしょうか?

これは他の大会ではあり得ません。

ランニング終了後のライブは、確かに40代だときついかもしれませんが、それにしても、若者のパワーが溢れていました。


一昔前は、ランニングなどはどちらかというとダサイ部類に属していて、体育会系かストイック系のオシャレとは縁遠い人しか参加していませんでしたが、今は違います。

普通の人たちが、街で着る洋服と同じように、ランニングウェアをセンスよく着こなし、悲壮感のかけらもなく、実に軽く参加しているのです。

ファッションが活気付けば、その分野は大衆化されるような気がします。

そして、ランニングや、もう一歩ですが自転車は一般の人たちに気軽に受け入れられつつあります。

この事実について、企業の思惑を感じるところはありますが、健全な方向にシフトしていると言えるでしょう。

なぜ、そう感じているかというと、ランニングや自転車が、いつでも、誰でも、気軽にできからです。

そのような結果どうなるか?

苦楽を共有することにより、世代を超えた繋がりができるのです。

他者を排除せずに、老若男女がともに手を取り合う社会がしばらく実現していなかったような気がします。

これまでは、何かと世代が分断されていたように思えます。

パパが学生の頃、違う世代の人たちと同じことを楽しむという発想はありませんでした。
(地域のお祭りなどはあるかもしれませんが、誰もが気軽に参加できるものでもなく、世代とは違いますが、やはり閉じられた世界でした。)

パパの学生時代は、若者文化、年寄文化と壁を作り、それぞれが他の世代を無言のうちに排除していたのです。

ランニングのような気軽に楽しめ、かつ一体感を味わえるような趣味をとおして、もっと世代間の交流が活発になればと思います。

今の日本の人口分布を見ると、どうしても世代間の協力が必要になってきます。

このままいくと、今、あるおいは、これからの若者は、いつまでたっても少数派を脱せないからです。

社会的成熟に向けて、一緒に楽しめるるような祭りは、ウェルカムです。

ファッション性と物語性が、若年層を惹きつけるキーワードだと思います。

商売も政策も、これらのキーワードに注目して、世代間の融合の実現に寄与してもらいたいと考えます。


本日のパパからのメッセージは、

「世代間の壁を取り除こう!」

です。


そして、パパの「今日のよかた!」は、

「走って、ライブを観て、日本の未来に希望を持てた!」

です。