その301 目的を明確にしてから手を組もう!
どうしても規模の拡大を目指さなければならないのかと思います。
企業の合併関連のニュースが本日だけでも2件。
■住友信託銀行と中央三井トラスト・ホールディングス
■マネックス証券とオリックス証券
確かに、ある程度のシェアを確保していないと、業界内での新しいムーブメントを起こしにくい側面があります。
クリーンヒットなアイディアを出せば、業界内のシェアに関係なく、一気に顧客の心を鷲掴みにすることはできるでしょうが、現実的にはクリーンヒットなどを飛ばせることは稀であり、地道な改善やコスト削減を繰り返しながら企業活動を行っていくことが基本となります。
合併のメリットは、
■シェアの確保による業界における影響力の確保
■管理部門などの重複部分の人員削減によるコスト削減
■資本力の増強に伴う資金確保
でしょうか。
もちろん、合併する側の個別事情によって、目的は異なるでしょうが、一般的に「小より大」のほうがよいと考えているのは疑いがないところです。
本当にそうなのでしょうか?
疑ってかかってみたいと思います。
市場が縮小していく局面では、シェアの割合が変わらないとしたら、黙っていても売上なり利益は落ちていくものです。
特に、市場が大きかった時期に合わせて、人材なり設備なりを保有している場合は、その分の負担が重くのしかかり、その時点から改めてシェアを拡大していくことが困難になります。
では、この局面で合併をして業界内のシェアを拡大することが正解か?
答えはNOであると思います。
全てが全てではないでしょうが、異なる文化を持った企業同士が一つになるには、小さなストレスが多数発生し、現場はそのストレスを解消することに能力の何割かを削がれ、本業に集中できないことが多いからです。
例えば、大きなイノベーションがないような保守的な業界においては、何年かかけて、本業の注ぐべきエネルギーを、経営統合に注いでもよいのかもしれませんが、生き馬の目を抜くような世界では、そんな余裕はありません。
どうせ君ならば、異業種であるとか、部分的に重なっているとか、新しいイノベーションを生み出せるような可能性を感じる相手と組むべきです。
本質的には、苦しいときにこそ、本業以外のストレスを感じるような作業は減らし、その分を、新しいアイディアや固定ファンを増やす戦略に注力すべきだと思います。
合併を否定するわけではありませんが、苦し紛れはいけません。
きちんとした戦略をもって手を組みましょう。
従業員がその合併に意義を見出すこと、それぞれの企業のファンが納得できるような絵を見せること。
この2つが合併の最低限の条件であると考えます。
本日のパパからのメッセージは、
「目的を明確にしてから手を組もう!」
です。
そしてパパの「今日のよかった!」は、
「たまっていた仕事を他のメンバに振ることができた!」
です。
遊兵を作らず、適宜、役割を与えて、チームみんなで仕事をしていくことが大切なのです。