その312 世の中のためになると思うものを見つけたら、自分がハブとなろう!

昨日、和田裕美さんの「わくわく伝染ツアー」後、丸善オアゾ店の4Fにオープンした、松丸本舗へ行ってきました。

松丸本舗は、今、パパが稽古をしている編集学校の校長である松岡正剛氏と丸善がタッグを組んで、編集的な読書世界を世に広めようという実験空間です。

http://www.matsumaru-hompo.jp/

松岡さんの編集工学研究所に一度だけ入れてもらったことがあり、そこにある壁面一面の本棚に圧倒されたことがありました。

松丸本舗は、その編集学校の書棚をそのまま移設させたような作りになっており、そこに居ると、普段は表面に現れてこない自分の中で眠っている知的好奇心がグングンとうずいてきます。

そこに何時間でも居たい、そしてできれば興味のある本を手にとって、傍らでお茶でも飲みながら、日がな1日過ごしたい感じです。

まずは、その分類。

すべてに分野の本がそこにあるというわけではないです。

最近のビジネス本のような分野の本は全くありません。

その代わり、文化的なもの、歴史、文学、自然科学、宗教、経済、政治、芸術の本が、「雑然かつ整然」と並べられています。

その書棚は、おおよそ書店や図書館では考えられないような、重ね置き(前列の本をどかさないと後ろの本のタイトルがわからない)がされていたり、新刊の中に突如古本が混じっていたりと、刺激がいっぱいあって楽しいです。

なので、本を購入しようとする者が、目的の本を見つけようとすることには全く向いておらず、古書店のような感覚で、「めっけもん」を探すことに向いています。

で、パパが小一時間ほど店内を歩いて購入したのは次の4冊。

■NARASIA 日本と東アジアの潮流  
  監修:日本と東アジアの未来を考える委員会
  編集構成:松岡正剛
  出版:丸善

ランボー詩集
  訳者:堀口大學
  出版:新潮文庫

■さび −俊成より芭蕉への展開−
  著者:復本一郎
  出版:はなわ新書

■サイクリング・ブルース
  著者:忌野清志郎
  出版:小学館

なんとも、雑然としたセレクトで、他人へは説明できませんが、パパの中ではそれぞれが細い線で結びついているのです。
  
個人的には、時間があれば何度でも訪れたい場所だし、強く人に薦めたい場所だとも思います。

ひょっとすると、東京の新しい名所になれる可能性があるのではないかとも思います。


しかし、反面、なかなか浸透するのも難しいのかなとも思いました。

一つは、商売として成り立たせることが難しいと思う点。

レイアウトが特殊すぎて、それを維持していくのに、相当な労力がかかります。

一般の書店では、雑誌、文庫、新書、ハードカバーなど、本の大きさによって分類したり、そのうえで、分野、出版社別などに配置していくので、わりあい機械的に作業が進められます。

しかし、松丸本舗では、なにしろ「雑然かつ整然」なのです。

これを維持するためには、専門のスタッフが必要となるでしょう。

そして、ここを訪れた者が、ついつい長居してしまう分、回転が悪く、混雑している割には売上が伸びないのではないかと、おせっかいにも思ってしまいました。

丸善の現社長である小城武彦氏の中では続くでしょうが、社長が変わったときにどうなるか。

ここは丸善さんに期待します。


そして、浸透が難しいと思われるもう一つの点は、松岡ファン以外にどう浸透させていくかだと思います。

残念ながら、パパの周りでも松岡正剛氏を知らない人は、まだまだ多いです。

松岡氏を知らない人であっても、松丸本舗の前に立てが、その空間が放つ不思議な魅力に吸い寄せられる確率は高いと思います。

しかし、丸善オアゾ店の4Fには、正直言ってなかなか足を運ばないと思います。

では、どうするか?

松丸本舗の「物語」と「ファッション」を明確にして、世に訴えることです。

松岡氏や小城氏が訴えようとしている「本の力」が物語となっていて、それが格好よいファッションになっているかが、鍵であると思います。

パパは、このプロジェクトを契機に、少しでも読書離れが収まればよいと思います。

なので、微力ですが、パパは自分ができる範囲で、松丸本舗の物語を語って行きたいです。

ハブ(放射状に広がる中心点)になる意識を持って皆が取り組めば、山は動くかもしれません。


本日のパパからのメッセージは、

「世の中のためになると思うものを見つけたら、自分がハブとなろう!」

です。


そして、パパの「今日のよかった!」は、

「予定していたこと(本棚の組み立て、稽古、手紙書き)が全てできた!」

です。

WHY?

→ 明日から別のことに取り組めるから。