その349 全体を理解しているなどという奴を信用するな!

天皇陛下と中国要人との会見について、内閣が30日ルールを特例で破った問題で、民主党幹事長小沢氏と宮内庁が揉めている問題に関して私見を述べさせていただく。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091215dde001010030000c.html

天皇と政治の関わり方については、これまでどおり、特定の国に偏りすぎず、政治的色合いは薄めて欲しい。

今回の中国の副主席が、通例の天皇の会見相手に相応しいかどうかは、正直わからない。

また、鳩山内閣外交政策アメリカから中国へシフトしているといったことに関しては、意見を言えるだけの知識・情報を持ち合わせていない。

ただ個人的に気になるのは、宮内庁の実際の運用が、強行的に上から押しつぶされたことだ。

小沢氏が役所を見る目の一旦が見えて怖い。

「役所なんだから、政府に従うのは当たり前。意見を言う視覚なんてない!」

これは、どこかで聞いたことがある。

「町人風情が黙ってろ!武士の言うことが正しいに決まっているだろ!」

そう。江戸時代にタイムスリップしてしまったような、時代錯誤的な発言である。

「30日ルールは、憲法に明記されているのか?」と凄む小沢氏の顔は、悪代官そのものだった。

具体的な運用面まで、憲法に記すはずないではないか。

自分の守備範囲しか知らない木端役人が、日本国を憂いている俺様に刃向かうとは何事だ。信じられない。と言ったところか?

自分はいかにも全体を統括しているという態度であるが、果たしてそうなのだろうか?

全体を知っていると自慢する人間よりも、自分は部分的にしか知らないと言う人間のほうが信用できる。

なぜなら、物事の全体を把握することなどできるはずがないからだ。

理屈だけでは物事は進まない。

全体派は、だいたいが理屈一辺倒で、実務とか運用に疎い。

今回の30日ルールというのは、天皇陛下の体調を考慮されての運用の方法である。

運用とは臨機応変に変化していくものであるから、30日という期間に、恐らくそれほど強い意味はないのであろう。

ただ確かなのは、30日ルールという運用があったということだ。

本質的には馬鹿げているとも思う。

しかし、現場で運用されている以上は、その運用はひとまず受け入れなければならない。

そのうえで、改善点があれば、改善させていけばよいのである。

それを一足飛びに、ルールを曲げられ、しかも今までの運用を真っ向否定するようなことは、現場のモチベーションを下げる。

これでは人心を掌握することはできない。

職員の士気を低下させても何一つよいことなどないのに。

どんなものであっても、ひとつひとつの部分が小さな歯車となり、やがて大きなものを動かすのだ。

部分を軽視してはいけない。

きちんとした説明をしたうえで、現場の理解を得てから改善をすべきだ。

運用の存在を無視して、理屈の世界に没頭してしまうのは、国家を担う人物のなすべきことではない。

全体を知る暇があれば、部分を学んで欲しい。

ルールには何がしかの意味がある。

意味を捉えたうえで、改善提案をして欲しいものだ。

そして、これは、小沢幹事長の問題ではなく、我々にも当てはまる問題だ。

正論を振りかざす前に、部分的な目を持って検証してみよう。

そして、現場の声を吸い上げて、あるべき姿を理解したうえで、ルールを変えるのであれば変えればよい。

「全体のため」などというのは、まずもって怪しいと思ったほうがよい。


本日のパパからのメッセージは、

「全体を理解しているなどという奴を信用するな!」

です。


そして、パパの「今日のよかった!」は、

「削り器でチーズを削ってパスタに乗せたら超美味しかった!」

です。

Why?

→ 部分的な新しい組み合わせで全体を変化させることが体感できたから。