その359 断片から世界を拡げよ!

文字だけを見てもわかりようもないことであるが、それが異国から発信されたメールだと、自分がその場に居るわけでもないのに、なんだかワクワクしてくる。

見たことのない場所だからこそ、その風景を自分の理想に近い形で想像できる楽しみがある。

少しセピア色のかかった映像が視覚とは別のところにぼんやりと浮かぶ。

気がつけば、濃厚な甘い香りが漂い、闇夜を切り裂くようにバザールの音が聞こえる。

ゆっくりとアジアの風景が体に溶け込んでいく。


同じ記号であっても、その記号ができた背景をすり替えるだけで、物事を捉える幅、そこから感受的な大きさが異なってくる。

事実だけを直視すれば、それは一見効率的なのかもしれないが、大事なものを見落としてしまうような気がする。

我々が五感で体感できる事実は、物語の断片でしかない。

断片から、その奥底に潜む無限の世界を確認してみると、何に接しても飽きないような気がする。

事実から物語化することこそが知へのあくなき追求の入口なのかもしれない。

まずは関心を持つこと。

そして、関心をもったものの表面的なところで納得するのではなく、深層部分を探求する姿勢でありたい。

どこまで広げていくかは自分しだいであって、つまらなければ戻ってくればよい。

そして広さを持つためには、少し自分で努力をすること。

そのためには知識が必要だ。

感性は入り口で重要な役割を果たすが、限界があるように思える。

次へと展開していくための要素として、情報が重要な役割を果たす。


情報は質が命。

どこで情報を入手するかが案外と重要である。

ネット検索もよいが、できれば本を読んで、知識を吸収する一助としたい。

そのために最近使っているツールがこれ。(先の発言と矛盾してネット検索ツールですが・・)

http://senya.pictopic.info/

編集学校の校長でもある、松岡正剛氏の千夜千冊のマップである。

キーワードを入れると、関連する本が何冊か現れる。

さらにアマゾンに行くと、その本を買った人が別にどのような本を買っているかが出てくるので、すべての本を読まずとも、その系譜がわかるだけでも楽しい。

余談であるが、ファッションの世界で季節商品を増産するのに、使う指標は、単純に発売○日の売り上げ順ではなく、過去の買い物履歴から分析をして、売れる商品を買った人の動向を見ているとのことだ。

良質な履歴は、ビジネスの世界で使われることが常識になっている。

では、これを個人で使ってみようではないか。

千夜千冊という知的好奇心の高い人に人気のあるコンテンツから、アマゾンに飛んで、そこでその知的好奇心の高い人の読み物を探る。

かなりの確率で興味を惹かれる本があるはずだ。

著者の方には申し訳ないが、古本を購入してもよいかもしれない。

近年の本の世界は回転が早いらしく、気がつくとすぐに絶版になっている。

本については迷ったら買っておいたほうがよい。

そう、本を媒介して、断片から世界を拡げようではないか。

先行きが不安な時代だからこそ、直線的なだけでは世の中の支持を得られないのかもしれない。

人に物語の全体像を見せないと価値が半減してしまうのだ。

千夜千冊マップもアマゾンの履歴も、断片からだけではなく、その断片からの広がりを持たせているからこそ、受けているのであろう。

ビジネスでも個人の生活においても、物語を発信できるように精進していきたいものだ。


本日のパパからのメッセージは、

「断片から世界を拡げよ!」

です。


そして、パパの「今日のよかった!」は、

「早起きして稽古ができた!」

です。

Why?

→ 時間を意識して集中力を高めることができたから。